方言

北海道の方言「どけて」と「どいて」の違いや使い方を解説

全国に共通する標準語では、対象が道具など物に対して使う場合は「どけて」、人に避けてもらう時は「どいて」と使い分けるのが一般的です。北海道の方言である「どけて」の場合、対象の区別を付けず、物と人どちらにも使用します。

「どけて」と「どいて」の違い

日本では地域ごとに文化が異なり、独自の方言が使われることもあります。北海道で頻繁に使われる「どけて」も、地域ならではの方言の一つです。「どけて」という言葉は、文字通り障害物など邪魔に感じている物を避けてもらいたい場合に使われます。

全国に共通する標準語では、対象が道具など物に対して使う場合は「どけて」、人に避けてもらう時は「どいて」と使い分けるのが一般的です。北海道の方言である「どけて」の場合、対象の区別を付けず、物と人どちらにも使用します。

北海道の方言について正しく理解していない人の中には、「どけて」と言われたことで物扱いされたと勘違いするケースも少なくありません。北海道民は物扱いしている意識はないので、広い心で許容することが大切です。

「どけて」の使い方

北海道の方言、「どけて」は人に命令もしくは頼みごとをする時に使われます。主な例として、オフィスに不要な荷物が置かれている時に、上司が部下に邪魔だから「どけて」と命令するなどがあります。

そのほか、狭い道で横に広がってダラダラ喋りながら歩いている人に向かって、他の通行人に迷惑だから「どけて」と頼む場合にも有効です。自分は手がふさがっている状態で進行方向に障害物があって進めない時に、周囲の人に「どけて」と頼む使い方もあります。

「どけて」のニュアンスに注意

「どけて」という言葉は標準語と意味は同じでも、使い方に若干の違いがあります。東京を始めとした標準語圏は、「どけて」は物に使う言葉という認識を抱いている人も少なくありません。

言い方によっては高圧的に感じることも多く、見ず知らずの人に使うとトラブルに発展するケースもあります。特に上司と部下の間柄など、立場が異なる人同士ではその後の関係に大きく影響することもあるので注意が必要です。

トラブルを避けるには、上から目線で言っているわけではないと理解してもらうことが重要になります。相手が素直に受け入れられるように、「どけてください」など柔らかい印象になる言い方に変える、「申し訳ない」といった謝罪の言葉を添えるのがコツです。