「気色悪い」が関西圏で日常的な言葉として使われている以上、「きしょい」を死語と断定することはできません。とはいえ、使わなくなった人が増えているのは事実なので、受け手側の取り方次第では死語と言われる可能性もあります。
「きしょい」は死語ではない
「きしょい」という言葉を自分の周囲の人が使わなくなった、日常生活で耳にしなくなったことで死語になったのかと疑問を抱く人も多くいます。しかし、世間一般で使われなくなったからといって、必ずしも死語にカテゴライズされるとは限りません。
「きしょい」は、「気持ち悪い」の関西弁である「気色悪い」を縮めた言葉で、古くから関西エリアで当たり前のように使われています。日常生活で耳にしなくなったのは、同義語である「キモイ」という単語が若い人達の流行り言葉となった影響からであり、利用頻度が減っただけです。
「気色悪い」が関西圏で日常的な言葉として使われている以上、「きしょい」を死語と断定することはできません。とはいえ、使わなくなった人が増えているのは事実なので、受け手側の取り方次第では死語と言われる可能性もあります。
特に、その時々の流行を取り入れる10代や20代は抵抗を感じやすいので注意が必要です。流行していた90年代にリアルタイムで使っていた世代であれば、懐かしさを感じて受け入れてもらいやすくなります。「きしょい」は死語ではありませんが、使う時は相手を選ぶことが大切です。
「きしょい」が使われなくなった理由
若者が考える流行語は限定的に使われることが多く、いつの間にか廃れてしまうケースも少なくありません。「きしょい」も同様に、2000年代以降は若い人の間でも徐々に使われなくなっています。
「きしょい」が廃れた理由として考えられるのが同義語の台頭です。2000年代初頭に新たな若者言葉として「キモイ」という言葉が使われ始めています。
「キモイ」とは文字通り、気持ち悪いと感じる対象に侮蔑の感情を込めて使う言葉です。細かい部分のニュアンスは若干違いますが、「きしょい」とほぼ同じ意味となるので、「キモイ」の流行と共に徐々に「きしょい」が廃れていったと考えられます。
2010年代に入ると、「きしょい」という言葉はごく一部の人しか使わなくなっているため、存在自体知らないという若者も少なくありません。