「いかんせん」という言葉は、敬語ではありません。しかし、ビジネス用語としても使えます。その場合、多くは断る時に使用されます。「いかんせん」という言葉を添える事で、「どうしても出来ない」や「申し訳ない」というニュアンスを与える事が可能です。
「いかんせん」はビジネスで使える
「いかんせん」という言葉は、敬語ではありません。しかし、ビジネス用語としても使えます。その場合、多くは断る時に使用されます。
単に「お断りします」だけでは、冷たい印象を相手に与えてしまいます。しかし、「いかんせん」という言葉を添える事で、「どうしても出来ない」や「申し訳ない」というニュアンスを与える事が可能です。
これにより、努力はしたが駄目だったというニュアンスが伝わります。例えば、「資料を作り直してきましたが、いかんせん時間がなく、完璧なものをご用意できませんでした」などの様に使用できます。
ただし、この言葉をあまりにも多用する事は避けた方がいいでしょう。あまりにも使いすぎた場合、相手に不快感を与える可能性もありますし、「いつもうまくいっていないのでは?」という、いらぬ誤解を招く事も考えられます。
「いかんせん」のビジネスでの使い方
「いかんせん」を使う時には、会話や文章のなかにさり気なく使うといいでしょう。
たとえば、「せっかくの食事会のお誘いですが、いかんせん急ぎの仕事があるため、この度は辞退させていただきます」と使えば、食事会には行きたいものの、急ぎの仕事のためやむなく断るという意味になります。
そのため、相手に対して悪印象は与えません。「いかんせん」という言葉を使う時には、その前後で使う言葉にも細かく配慮するといいでしょう。
「いかんせん」の意味
「いかんせん」という言葉には、2通りの意味があります。1つは、「残念ながら」というがっかりした時の気持ちを表したもの。そして、もう1つは「どうしようもない」という途方にくれた時の気持ちです。
漢字では「如何せん」と書きます。「いかんせん」を方言と勘違いしている人もいますが、そうではありません。この言葉の語源は、古代中国の漢文から来ています。かつて、項羽と劉邦が激しい戦いを繰り広げている中で誕生したと言われています。
劉邦によって追い詰められた項羽は、死をも覚悟するものの妻の行く末を考えた時に、「いかんせん」という言葉を使ったのです。「虞や汝をいかんせん」というのは、「虞よ、君をどうすればいいのだろう」という歯がゆくもどかしい想いが込められているのです。