「どいてください」を敬語で伝えたい時は、別の言葉に言い換えることをおすすめします。例えば、通り道にいる相手にどいてほしい場合は、「後ろを失礼いたします」「通していただけますか?」と言いましょう。遠回しにその場所から移動してもらいたいことを伝えられます。
「どいて」とは
「どいて」は、相手にその場所から離れてほしいと伝える時に用いる言葉です。動詞「どく」の連用形「どき」のイ音便形に、接続助詞である「て」が付いた形となります。ひらがな表記されることが一般的ではあるものの、漢字では「退いて」と記載することも可能です。
自分から場所を譲る際は、「どきます」という表現を用います。基本的に「どいて」は人に対して使い、物を移動させてほしい際は「どけて」という表現が使用されます。しかし、東北地方や北海道など一部のエリアでは、人に対しても物に対しても「どけて」と言う場合があります。
なお、「退いて」は、「のいて」と読むことができます。「のいて」という言葉は、主に西日本エリアで使用されることが多い傾向にあります。
「どいてください」の敬語表現
「どいて」を丁寧に伝えたい時「どいてください」と伝える人がいますが、この伝え方だと失礼だと思われるケースが少なくありません。「どいて」と言うと、「邪魔だからどいて」というニュアンスにとられることが多いからです。
元々「どいて」は、相手に行動を要求する表現です。「どいて」は自分ではなく相手に行動を促す表現のため、上から目線で行動を強要されていると感じてしまうのです。
そのため、「どいてください」や「どいていただけますか」などの丁寧な言い回しを使ったとしても、要求されていることには変わりません。相手と親しい関係性なら、「どいて」や「どいてください」と言っても、悪い印象を与えることはないでしょう。
しかし、それ程親しくない相手や第三者に「どいてください」と言うと、無礼な人だと思われてしまう可能性があります。「どいて」を敬語で伝えたい時は、別の言葉に言い換えることをおすすめします。
例えば、通り道にいる相手にどいてほしい場合は、「後ろを失礼いたします」「通していただけますか?」と言いましょう。「通ります」など自分の行動を伝えることで、遠回しにその場所から移動してもらいたいことを伝えられます。
相手がいる場所を使用したい場合は、「その場所を代わっていただけますか?」「そこを空けてもらえますか?」と尋ねるのが良いでしょう。