「ガチ」と「マジ」は意味や使い方がほとんど同じですが、「ガチ」の方が「マジ」よりも本気度が高いイメージです。「ガチ」とは、「ガチンコ」を省略した言葉です。「マジ」は、一般的には「マジメ」が省略された形だと考えられています。
「ガチ」と「マジ」の違い
「ガチ」と「マジ」は意味や使い方がほとんど同じですが、「ガチ」の方が「マジ」よりも本気度が高いイメージです。
「ガチ」の意味と使い方
「ガチ」とは、「ガチンコ」を省略した言葉です。「ガチンコ」はもともと相撲界で使われていた言葉で、真剣勝負という意味の隠語でした。
力士同士が激しくぶつかり合うときに、「ガチン」と音がすることが由来とされています。江戸時代ごろから使われていたと考えられる「ガチンコ」は、1950年代に力道山が相撲界からプロレスに転向したことで、プロレス界でも使われるようになりました。
「ガチンコ」という言葉が広く知られるようになったきっかけは、1999年から2003年まで放送されていた「ガチンコ!」というテレビ番組です。この番組では真剣に、職人や、その道のプロを養成する企画を行っていました。
2023年の時点では、若者言葉として省略形の「ガチ」が使われています。真剣勝負から派生して、「真剣に」や「本気で(行うさま)」、「本当に」などの意味で使われます。使用例には「先生から、試験の結果次第では留年すると言われた彼はガチで勉強した」などがあります。
「マジ」の意味と使い方
「マジ」は、一般的には「マジメ」が省略された形だと考えられています。「マジ」も「マジメ」も江戸時代から使われていたと考えられ、「マジメ」は1640年ごろ成立した、「仁勢物語(にせものがたり)」という仮名草子に見られたのが最も古い文献とされています。
「仁勢物語」は、平安時代に書かれた「伊勢物語」のパロディ小説です。「マジ」は1781年に刊行された洒落本、「にゃんの事だ」で最初に使われました。刊行は「仁勢物語」の方が100年以上前ですが、「マジ」に接尾語の「め」が付いた可能性も否定できません。
江戸時代に、芸人の楽屋言葉として使われていたという説もあります。1810年ごろの歌舞伎のセリフに、「マジ」が出てきたと言われています。2023年の時点で若者言葉として使われている「マジ」は、「本気」や「真面目」、「真剣」などの意味で使われています。
1980年代ごろから使われ始め、立原あゆみの「本気(マジ)!」というタイトルの漫画が1986年から「週刊少年チャンピオン」で連載されていました。用例は「マジで期末試験の勉強をして、彼は留年を回避した」などです。