「ガチ」という言葉がいつから使われるようになったかははっきりしていません。江戸時代のやくざが使っていたという説もありますが、時代考証が誤っている創作が由来なので信憑性は低いと言えるでしょう。一般人が「ガチ」を用いるようになったのは1980年代になってからです。
「ガチ」という言葉はいつから使われている?
「ガチ」は「本気」「真剣」を意味する俗語です。話し言葉に用いるのが一般的であり、文章ではあまり使われないとされています。
言葉の由来は諸説ありますが、相撲用語の一種で真剣勝負を意味する「ガチンコ」が略されたものという説が有力です。しかし、語源である「ガチンコ」共々、いつから使われるようになったかははっきりしていません。
江戸時代のやくざが使っていたという説もありますが、時代考証が誤っている創作が由来なので信憑性は低いと言えるでしょう。一方でやくざや犯罪者など、カタギではない人の間では好んで用いられていたのも事実です。
部外者が聞いても意味が分からないのが隠語の特徴であり、後ろめたいことを行っている人が隠語を多用するのは自然な成り行きでしょう。アウトローの間では明治時代の頃にはすでに広まっていたとされていますが、一般人が「ガチ」を用いるようになったのは1980年代になってからです。
ツッパリものと呼ばれる、不良少年を題材にしたテレビドラマやマンガなどの創作が発端であり、当初は不良が使う下品な言葉とされていたのも事実です。しかし、時代が下ると共に一般的な言葉へ変化し、現在では真面目や本当の事などを意味する、くだけた表現と認識されています。
「ガチ」の使い方
「ガチ」は話し言葉なので日常会話の中で用いる機会は少なくありません。元々の意味である「本気」や「真剣」に代わる言葉として用いるなら「この問題にはガチで取り組む」「ガチな態度で試験に臨む」などが正しい使い方でしょう。
また、「本当」や「真面目」などの意味で用いるなら「その話はガチなのか」「ふざけたりなどしていない。いたってガチだ」などが適しています。文章で用いるなら「ガチ」とカタカナで書く他、「本気」や「本当」へのふりがなに用いるのが無難です。
しかし、「ガチ」は隠語なので公的な文章には相応しくありません。また、すべての人が「ガチ」の意味を正しく理解しているとは限らず、中高年の人には通じない可能性があります。隠語はあくまでも仲間内で用いる言葉なので、TPOをわきまえずに多用するのは避けるべきでしょう。